企業に雇われる顧問医の特徴

最終更新日 2024年11月20日 by carret

小規模な企業の場合には産業医の選任を義務化されているわけではありませんので、何も起こらなければ対策を講じないケースも多いようです。
具体的な数字で言うと、50人未満の事業場では選任を法令で定められているわけではありません。
しかし、健康的な経営を目指すためには毎年定期健康診断を受けるだけでなく、その後の適切な指導が必要ですし、近年ではメンタルヘルス関連の対策も重要視されています。
必要な時に医師から適切な指導を受けられるように環境を整えることが重要であり、その際に活躍するのが顧問医です。

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顧問医の仕事

年1回の健康診断は、事業場の規模に関わらず受けることになります。
その結果を見ながら保健指導が必要かを判断し、必要だと判断が下されたら速やかに行わなければなりません。
その内容によっては就業上の措置が必要なケースもありますので、そういった面でも意見を仰ぐことが大事です。
また、何か重要な問題が発生した時には、それ以上の詳しい検査を受けなければならず、受診勧奨も業務の一つとなります。
健康診断で出てくる結果は比較的簡易なものであり、意見提出のために更に詳しい情報が欲しい場合には精密検査の結果を出してもらうこともあります。
中には精密検査を受けるようにと従業員に指示してもなかなか受けたがらないことがありますが、やはり大きな問題に発展しないようにするには顧問医から指導を行ったり受診勧奨を実施することが大切です。
詳細な結果を把握できれば、事後措置も適切に行われるようになります。

近年重要視されているメンタルヘルスケア

近年重要視されているのがメンタルヘルスケアであり、ストレスチェックを実施する企業も少なくありません。
不調を感じる人が増えると本人は仕事を遂行することが困難になり、生産性の低下による業務への影響が懸念されますし、周りの人達への影響も心配されます。
まずはそれぞれが自分のストレス状態を的確に把握し、それを日々の対策へといかしていくことが大事であり、集団分析を行うことは職場環境の改善にもつながります。
ストレスチェックは50人未満の事業場では義務付けられておらず、実際に行わない所も多いのですが、より良い環境にするには必要な対策です。
こうした従業員への配慮が行き届いている企業では定着率がアップして業績も安定する傾向にあります。
逆に、個々の対策に任せている場合には、ストレスによる負荷が大きくなっても気づけないために退職を選ぶケースも少なくありません。
体調面の管理は行えても、精神的な部分のコントロールが難しいという声も少なくないため、メンタルヘルスの顧問医と契約する企業が増加しています。

顧問医などの専門家に入ってもらうメリット

最近では精神疾患による休職も増えていますが、非常に専門性の高い分野ですので企業の担当者だけで解決するのは困難です。
専門的な知識を持つ人に入ってもらうことで改善されるケースとして、何度も休職と復職を繰り返しているような場合には適切な判断ができるようになります。
せっかく復職しても勤怠が安定しない人は、まだ何らかの問題を抱えていて環境に対応できていません。
その問題を発生させている原因をきちんと突き止めて、問題が繰り返される仕組みに焦点を当てることで、根本的な原因にアプローチできるのが大きなメリットです。
判断が難しい要因として、ただ単に疾病の程度を評価するだけでなく性格的な特性や業務のスキル、対人面での対応力も絡んでくることが挙げられます。
また、能力に見合わない配置であったり、職場のサポート環境が十分でないことも問題です。
これらを総合的に判断して、適切に評価しながら復職への道筋を決めていきます。

どのようなサポートを必要としているのかを整理してみる

これから新たに顧問医と契約を結びたいという段階では、まずはどのようなサポートを必要としているのかを整理してみることが大切です。
多くは法定事項の整備を徹底したいという観点から導入しますが、健康診断を実施した後のフォローを徹底して健康管理に役立てたいという目的でも構いません。
また、精神的に不安定になる従業員が多いためにメンタルヘルス対策を重視している場合にも顧問医は役立ちますので、まずは多くの情報を集めて実際に話を聞いてみるのも一つの方法です。
女性の従業員が多い職場では、女性の顧問医を探すケースもあります。
実際に行われる仕事としては、職場巡視やストレスチェックに関する事項、健康診断後の指導、メンタルヘルスケアに関する助言等が挙げられます。
長時間労働に対する指導、求職者の職場復帰支援も仕事に含まれており、休職中の人には経過フォローのための面談も実施されるのが大きな特徴です。

まとめ

何らかの治療を既に受けている人たちは仕事との両立が大変なケースも目立ちますが、上手く両立できるようにフォローしてくれるため、万が一何か困ったことが起きてもすぐに相談できるのが嬉しいところです。
従業員は不安を抱えている時や健康に関する相談がある時には、その都度話を聞いてもらうことができます。